国指定重要文化財菊屋家住宅

所蔵品紹介

三輪休和 作「萩絵付手鉢」

三輪休和 作「萩絵付手鉢」
(昭和10年)
絵付:松林桂月

三輪休和 作「萩絵付手鉢」

昭和初期に制作された大ぶりな手鉢。

休和の壮年期における気概に満ちたダイナミックな作例であり、勢いよく引いたロクロ目が鮮やかに残り、これまた休和得意の縁を二か所、意識的にゆがめて意匠性を強く打ち出した作品。
見込みに描かれた竹の絵は、同じ萩出身でのちに文化勲章を受章した日本画家の松林桂月の手になるもので、その細く枯れたような筆致が独特な趣を添えている。
その遺作展の際に「把手の縄はあたかも横綱の綱」と評された太い蔓を編んだ取り手は、休和自身が蔓を調達し、自分の手でひねって作り上げた、とのちに自ら語っていた。