国指定重要文化財菊屋家住宅

所蔵品紹介

普化禅師・山水図

雲谷等顔 筆「普化禅師・山水図」
(桃山時代)
紙本墨画 掛軸・3幅対

雲谷等顔 筆「普化禅師・山水図」

雲谷等顔は、肥前国能古見の領主、原家に生まれ、本名を直治と言った。

狩野永徳(あるいは松栄)に絵を学んだとされるが詳細は不明。
毛利輝元に仕えるようになり、雪舟の山水長巻を模写し、かつての雪舟の居所である雲谷庵を受け継ぎ、桃山から幕末まで続く雲谷派の始祖となった。

本図は、中幅に中国・唐時代の禅僧、普化禅師が、また破墨法によって描かれた山水が、左右両幅に描かれている。
普化禅師は、すでに廃宗となった普化宗の始祖とされ、盤山寶積の法嗣として新たな宗派を興した。
普化宗は、行脚修行を一宗の規範とし、ゆえに普化自身も、放浪を旨として、風狂の禅僧として語られた。
忽然と街頭に出現し、一枝の竹笛を吹いたり、小さな鐸(鈴)を振り鳴らしたりしながら、禅意を説き、托鉢したという。
その禅僧、山水を草体の闊達な筆致で描いた等顔独特の水墨画である。