国指定重要文化財菊屋家住宅

所蔵品紹介

春冬山水図

戴進 筆 「春冬山水図」
(中国・明時代)
絹本着色 掛軸・双幅
国指定重要文化財

春冬山水図

戴進(たいしん)は別号を文進と言い、中国の明時代の画家である。

明の画院に登用されようとしたが、讒言のために妨げられて故郷の浙江省(せっこうしょう)に帰り盛んに作家活動を行い、いわゆる浙派の始祖となった。
南宋画院の画風をいっそう烈しく強くした筆致で、山水・神像・走獣花果などを得意とし、ことに山水を描いては明時代第一との定評があった。

本図は二幅対の大幅で、我が国にある戴進筆の作品のなかでも最佳品と評価されている。
春景図は水辺の小閣に憩い、桃花を賞する人物等を画面の下方に描き、巨松、遠山などを上部に配している。
一方冬景図は、騎馬と従者とを右下に小さく描き、雪に覆われた土坡や岩石を画面いっぱいに配置している。

もともとは四季山水図中の春冬二幅と思われる。