所蔵品紹介
孫君澤 筆 「劉阮天台図」
(中国・元時代)
絹本淡彩 掛軸・1幅
孫君澤 筆 「劉阮天台図」
中国の元時代の画院画家であった孫君澤の筆になる山水図である。
描かれる岩や樹木の描写には、馬遠・夏珪などの南宋画院系の典型的な画法が用いられている。
本来は右側に画面が広がっていた可能性があるが、茶掛けとして切り詰められたとの推測もある。
描かれる故事は、中国の後漢時代に、劉晨と阮肇という二人の人物が天台山で道に迷い、女人国で仙女たちに歓待を受けて帰ると、すっかり時代が代わってしまっていたという逸話である。
松江藩主・松平不昧の旧蔵として『雲州蔵帳』にその記載がある作品で、同様の画題のものにアメリカ・メトロポリタン美術館蔵のやはり元の画家・趙蒼雲の「劉阮天台図巻」がある。